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よく噛むことで認知症予防を!

こんにちは

川崎市 川崎区 八丁畷駅前にある八丁畷クリニックファーム よつ葉歯科クリニックの角田です。

以前もお口の機能は食べる以外にも様々な役割があることをご説明しましたが、今回は噛むことと脳の関係についてご説明したいと思います。

食べ物を口腔(こうくう)内へ摂取し、それを飲み込むまでに口腔内で行われる一連の生理的過程を「そしゃく(咀嚼)」といいます。この「そしゃく」が脳の働きを良くしたり、認知症の予防となるという関係性が、近年さまざまな研究から解明され、かむことにより脳が刺激されるという結果が注目されています。

 アルツハイマーの患者さんでは、神経伝達物質であるアセチルコリンの分泌濃度が低下することにより、記憶の状態が悪くなってしまっているという事実がわかっています。そして、同様に、歯がなくなり、歯や周囲の神経組織が失われると、良くかむことで刺激される、脳の海馬(かいば)が刺激されなくなり、アセチルコリンの分泌濃度が低下するということが、動物実験などで明らかになっています。

 「そしゃく」という動作は、さまざまな器官や神経を使う高度な作業となっているため、脳にたくさんの刺激を与えるのです。

 適切なそしゃく運動を得るためには、まずはしっかりとしたかみ合わせ、咬合(こうごう)を安定させることが必要です。咬合を安定させる要因としては、

 (1)歯や歯並びの状態
 (2)歯周そしゃくの状態
 (3)口唇、頬、舌の筋力
 (4)そしゃく筋の筋力や咬合力

 などが深く関係してきます。

 ただぼーっと1日中座ったままで過ごしているという状態の認知症が進行してしまっていた患者さんが、新しく入れ歯を作り、かむトレーニングを続けた結果、何でも食べられるようになり、それと同時に認知症が改善し、数カ月後には、1人で外出できるほどにまで回復されたという報告もあります。

 また、良くかむことは、顔周りの筋肉や、骨を鍛えることができ、シワの予防や、お肌のハリを保ち、お顔全体の老化防止にもつながります。

 かみ合わせをしっかりとさせ、良くかむことが身体だけでなく、脳の健康を導く重要な役割の1つであるということを認識し、バランスの良い食生活を心がけ、より健康的な毎日を過ごしましょう。